甲状腺
特に女性は甲状腺の病気にかかりやすいと言われています。
甲状腺疾患があると心が不安定になったり、寒がりになったり、逆に暑がりになることもあります。
気になる症状がある方は、甲状腺についての詳しい検査をしてみましょう。
橋本病と言われた方へ
①橋本病はどんな病気ですか?
自分で自分を攻撃してしまう物質(抗体)を作ってしまい、首のところにある甲状腺が攻撃されます。
甲状腺は蝶々のような形をした、甲状腺ホルモン(FT3.FT4)を作っている臓器です。
甲状腺ホルモンは体を活発に動かす方向に傾けます。
橋本病では10%の方が、このホルモンが少なくなってしまいます。
このホルモンが多くなると
・寒がり
・体重が増える
・ぼーっとする
・皮膚が乾燥する
・忘れっぽくなる
といった症状が出ます。
②どんな検査をしますか?
血圧測定、採血、甲状腺の超音波検査を行い診断します。
心臓に症状が出ているときは、加えて心臓の検査を行います。
③どんな治療が必要ですか?
お薬を飲んで体の中に足りない甲状腺ホルモンを補います。
確からしいバセドウ病と言われた方へ
①バセドウ病はどんな病気ですか?
自分で自分を攻撃してしまう物質(抗体)を作ってしまい、首のところにある甲状腺が攻撃されます。
甲状腺は蝶々のような形をした、甲状腺ホルモン(FT3.FT4)を作っている臓器です。
甲状腺ホルモンは体を活発に動かす方向に傾けます。
バセドウ病ではこのホルモンが必要以上に多くなってしまいます。
このホルモンが多くなると
・胸がドキドキする
・体重が減る
・指が震える
・汗がたくさん出る
といった症状が出ます。
②どんな検査をしますか?
血圧測定、採血と甲状腺の超音波検査を行い診断します。
心臓に症状が出ているときは、加えて心臓の検査を行います。
③気をつけることはありますか?
甲状腺ホルモンが増えているときは、体は非常に疲れている状態です。
ストレスや過労が悪化につながります。
ホルモン値が安定するまで、できるだけ安静に過ごすようにしてください。
タバコはやめてください。
薬はしっかり飲んでください。
薬を飲まなかったり他の病気にかかったりすると、病気が悪さをして「甲状腺クリーゼ」という状態になることがあります。
意識が悪かったり痙攣したり、いつもと違うなと思ったら救急車を呼んでください。
お薬手帳を常に携帯することをお勧めします。
④どんな治療が必要ですか?
心臓がドキドキしていれば心臓を休ませるβブロッカーという種類のお薬を飲みます。
診断がはっきりすれば、血の中の甲状腺ホルモンを下げるために、抗甲状腺薬、無機ヨウ素薬というお薬を使います。
大体2年間で休薬、寛解に至らない場合、手術や放射線治療に切り替えることを考えます。
⑤治療中に気をつけることはありますか?
治療でメルカゾールという抗甲状腺薬を使うことがありますが、白血球を減らす副作用が出ることがあります。
白血球は感染症と戦う大切な血球なので、白血球が減ってしまった場合は治療を中止し、別のお薬を使います。
飲み始めの3ヶ月間は白血球の数を調べるために、最低でも2週間に1回の血液検査を行います。